起きて半畳寝て寝袋〜ミニマリストまでの道程

波乱万丈の末辿り着いた持たない暮らし

リアルハードロマンチッカー肆

〜リアルハードロマンチッカー参からの続き

警察、弁護士の話によると‥
ある日情婦と口論になり暴行、更には馬乗りになり拳銃を口の中に突っ込み‥流石に引き鉄をひくことはなかったようだったが。
情婦がその後警察に被害届を出しあえなく御用‥となるはずが彼は逃亡、約1月後繁華街を歩いている際に職務質問を受け御用となった。

翌日私は拘留されている署へ向かい彼と面会した。
ガラス越しに私を見た途端嬉しそうな顔をした。
事件の事をなるべく私は話したくなかったので努めて他愛の無い話をした。
面会時間も終了という時、あとの事は宜しく頼みます‥と彼は力無く頭を下げ面会室を後にした。

数日後、私は赤坂にある弁護士事務所に向かった。
組織も破門になり親兄弟にもとうに見捨てられ、気のおける友人など皆無な彼の情状証人を引き受ける為にだ。

当時の恋人をはじめ友人、知人のほとんどが情状証人を引き受ける事に反対した。

貴方まで同類の人間に思われるわよ?

そんな人間の屑に関わる必要があるのか?…etc

皆様全力で反対してくださいました。

もちろん一般常識で考えればそんなもん引き受ける義理もないし、関わる事で私を色眼鏡で見る人間も出てくるであろう事は百も承知だった。

では純粋に彼の助けになりたいと思って引き受ける事にしたのか?

実はそんな美しい感情なんかじゃなく‥単に裁判の場に身を投じてみたい気持ちだったんだろう、原告でも被告でもない安全な立ち位置で。

弁護士事務所を訪ね彼の弁護を担当する弁護士に会った。

信じられない事に弁護士は国選弁護人だった。

…続く。